2020年東京オリンピック・パラリンピック招致をめぐる贈賄の容疑者としてフランス当局から正式捜査を開始された日本オリンピック委員会(JOC)の武田恒和会長が1月15日、東京都内で会見した。
竹田氏は「フランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明することに全力を尽くす」と不正を否定したものの、約7分間にわたり自らの見解を述べただけで、報道陣の質問は一切受け付けなかった。
その理由は「フランス当局が調査中の案件のため慎重に検討した結果」というものなのだが、捜査に影響する質問であれば弁護士を同席させ相談のうえで「答えられない」と言うこともできたはず。
また会見の前に「質疑応答なし」ということを報道陣に伝えなかったことから、竹田氏がそそくさと会見場を去った後に、報道陣の不満が爆発。「失礼だ」「都合の悪いことは喋らないということでしょ」「言えないことがあるなら答えられないと言えばいい。それができないというのは頭が悪いのか? それすら判断できないのか?」といった辛辣な言葉が飛び、司会を務めた柳谷直哉JOC広報・企画部長が竹田氏の会見時間を大きく上回る時間、報道陣の質問に答えるはめとなった。その中には竹田氏も答えられるとも思える部分もあり、質疑応答がなかったことへの不可解さだけが目立ってしまうという、疑惑の払拭には逆効果の会見となった。