日本大会(NHK杯): 紀平梨花がグランプリ初出場・初優勝の快挙
堂々のグランプリ初出場・初優勝は、日本女子で初の快挙だ。紀平梨花は、ショートプログラムで3回転半ジャンプを転倒し5位とやや出遅れたが、フリースケーティングでは見事に3回転半を2本美しく着氷し(うち1本はコンビネーション)、大混戦となった今大会の女子シングルで頂点に立った。今シーズンからシニアに本格参戦する16歳。3回転半に代表される、短い助走から跳ぶ質の高いジャンプが最大の武器になっている。しかし紀平の魅力は、ジャンプにとどまらずスピン・ステップなど他の要素も高い出来栄え点を得られるそのバランス感にある。幼少期より取り組んだ体操やバレエで培った身体のしなやかさには目を見張るものがあり、スケーティングもこの若さにしてハイレベルなものを備える。今大会で2位となった宮原知子は同門の先輩で、一足先にグランプリファイナル出場を確実なものにした。次にこのふたりの戦いを見るのがファイナルの舞台となるかどうかは、紀平の次戦であるフランス大会にかかっている。