SearchSearch

「認める」時代【田口桃子の脱こじらせへの道 第56回】

2017.09.22 Vol.Web Original

前回は前後編にわたって、今年の春にデビューしたばかりの新人エロメン・夏目哉大さんのインタビューをお送りしました。

⇒前回のインタビューはこちら
着エロから女性向けAVへ…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・前編

着エロから女性向けAVへ…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・前編【田口桃子の脱こじらせへの道 第54回】


もっと相手を気遣ったセックスを…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・後編

もっと相手を気遣ったセックスを…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・後編【田口桃子の脱こじらせへの道 第55回】

 さまざまな経歴を経て、まさに導かれるように女性向けAVの世界にやってきた夏目さん。作品作りに対する情熱はもちろん、男性・女性の関係のあり方についての深い考えをお伺いでき、これからの活躍がますます期待されます。

 さて、今回はそんな夏目さんのお話で気になった部分を取り上げて、深掘りしてみたいと思います。

■なんにせよ“認める”というのが時代の流れ
 性に対して積極的な女性のことも肯定してくれた、夏目さん。こんな発言もありました。

「なんにせよ“認める”というのが時代の流れだと感じています。ゲイとかバイセクシャルといったこともそうだし、宗教上のマイノリティーの人もそう。いろんな人のいろんな形があることを認めよう、といった流れを感じるので、むしろそこを認めないのは、“人としてどうなの?”って感じがします(笑)。僕はそういう人は責めちゃいますね(笑)」

 このコラムでも散々、そういう女性がいたっていいじゃない! ということを訴えてきたので、同じように考えてくれる方がいるのかと思い、感動しました…!(泣)

 特に男性側からこういうことを言ってもらえるのはうれしいですよね。いくら女性が「積極的になりたい!」と言って行動したところで、まわりがそれを白い目で見ていては、溝は深まるばかりですから。

 積極的であっても、積極的でなくても、異性愛でも同性愛でも、生きている人の数だけ考え方はあります。まずはそれを「認める」というのが、お互いを理解しあう第一歩になると考えます。

 もちろん認めた上で、そういう考え方には共感できない、ということはあると思いますが、それはそれ。認めないで共感もできない、というのは、存在を否定するようなものです。たとえ共感ができなくても、そういう考え方やそういう人がいるということを知っておくことで、お互いが生きやすい社会になるのではないでしょうか。

■やっぱり作品は「買って」見てほしい
 AVの出演者のギャラは、印税ではなく、「出演料」として支払われるケースがほとんどです。現段階では、作品が売れれば売れるほど、出演者も儲かるということはありません。

 では作り手だけが儲かっているかというと、そうでもありません。売上は、次の作品の制作費になります。もちろん、売れれば利益は増えますが、売れなければ損になってしまう。

 利益を増やすためには、買い手の数を増やしていかなければいけません。ひとつのメーカーの支持者が増えることで、少しずつ利益が増え、それによって制作できる作品数が増えたり、出演者の数が増えたり、出演者のギャラが増えたり。

 なので、今後市場が広まっていけば、AV業界でも印税契約なんてことも不可能ではないでしょう。好きな演者を応援するためにも、「買って」見ること。買い続けること。それが大事になってくるんです。

 このコラムが掲載されるころには終了してしまっていますが、9月12日~17日の間に、GIRL’S CH、SILK LABOなどに出演する男の子を中心とした劇団Rexyの、公開稽古が行われました。今回インタビューさせていただいた夏目さんも出演します。公開稽古の様子も取材してきましたので、こちらのコラムでも様子をお伝えしますね!

もっと相手を気遣ったセックスを…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・後編【田口桃子の脱こじらせへの道 第55回】

2017.09.11 Vol.Web Original

 前回に引き続き特別版として、期待の新人エロメン・夏目哉大さんへのインタビュー。
 着エロをはじめとして、バラエティに富んだ経歴を経て、女性向けAVに出ることになった夏目さんですが、今回はプライベートの性生活や、今後の展望などを伺ってみました。

着エロから女性向けAVへ…期待のエロメン夏目哉大さんにインタビュー・前編【田口桃子の脱こじらせへの道 第54回】

2017.09.08 Vol.Web Original

 今回は特別版としてお送りします。
 以前にも劇団Rexyのインタビューをここでやらせていただいたんですが、今回は今年4月にデビューしたばかりの期待のエロメン・夏目哉大さんに、お仕事のこと、女性の性についてなどいろいろうかがいました。

“別れた彼”からの誘いを断る勇気【田口桃子の脱こじらせへの道 第53回】 

2017.08.25 Vol.Web Original

 今年も芸能人や政治家の不倫のニュースばっかりだなぁと、ワイドショーを見ていて思います。
 
 もちろん、そういった業界に不倫が多いということではなく、彼ら彼女らは人前に出る仕事をしているために、明るみにでたときに反響が大きいということで、世間一般でも不倫をしている人は決して少なくないと思います。

 芸能人だったら活動を自粛したり、政治家は辞任をしたり。一般人でも、職を追いやられたりすることもあります。要するに、不倫恋愛が終わった(もしくは終わらされた)あと、もう「そういう気持ち」がおきないような状況を作ること。それが関係を清算するということなのかな、と思います。

 これは、不倫でなくても恋愛が終わったあとも同じですね。好きだった人と同じコミュニティにい続けるのがつらいのは、「そういう気持ち」を抱くことを許されなくなってしまうから。自分の気持ちを否定するのはとてもつらいことです。

 さてそんなわけで、今回はこんなテーマを取り上げてみます。

女が男の「喘ぎ声」を聞きたいワケ【脱こじらせへの道 第52回】 

2017.08.11 Vol.web Original

 おとといはananの毎年恒例SEX特集が発売されましたね。今回はGIRL’S CHの掲載はないのですが、同じくSODグループのSILK LABO監修のDVDが付録としてついています。このときばかりは女性も堂々と、いや、男女ともに堂々とセックスについて語り合える時期なので、この機会にぜひ、ananを口実にいつもできない話をしてみるのはいかがでしょうか。

 ananは女性誌ですが、女性の性欲について世間的に認知されたのは、この5年くらいのことだと思います。SILK LABO、そしてGIRL’S CHも、そのブームを引っ張り、引っ張られながら現在までたくさんの方にご支持いただいています。女性も性に対して積極的に発言したり、考えたりするようになってきました。

 一方で、男性は性に対して受身になりたがる傾向もあります。それはAVの作品を見ても明らか。痴女もの、複数女性とのハーレムシチュエーションなどは、毎月いくつもリリースがあります。しかもそれは15年も前からあるブームだそうなのです。弊社の創業者いわく、創業期は「男性が女性を責める」という内容の作品が売れていたようですが、15年ほど前からそれが逆転。「男性が女性に責められる」という内容の作品の売上が、逆転して伸びたらしいのです。

 男性の心の中には、女性から責められたいという気持ちがあるのでしょうか。あるいは、仕事や社会生活に疲れて、妄想の中だけでも受身になりたいという願望の現われなのでしょうか。

 そんなわけで、今回はこんなアンケートを見てみたいと思います。

脱こじらせへの道 第50回 性欲と美容の相関関係って?

2017.07.14 Vol.694

 この「脱こじらせへの道」も、今回でなんと第50回!
 記念すべき50回目のテーマは、女性誌でセックスの話題が取り上げられるときに必ず出てくるこんな話題です。

「永遠のテーマ!SEXできれいになると思いますか?」
 
 昨年のananのセックス特集のテーマも「SEXでキレイになる。」でした。
 実は私、ずっとこのテーマがピンとこなかったんです。
 というのも、性欲と美容にどんな相関関係が?というのがずっと疑問だったから。
 SEXでキレイになるんだったら、ヤリマンは全員キレイなの?逆に、キレイな人はみんなヤリマンなの?
 そんなことないですよね。
”キレイ”といわれるような外見でなくてもSEXをたくさんしている人もいるし、SEXをしていないのにキレイな人もいます。

 このことがずっとモヤモヤしてたんですが、このアンケートを通してひとつ気づいたことがあります。

 それは、このテーマの言いたいことが、「キレイになるためにSEXする」ではなく「SEXをすることでキレイになる」であるということ。
 決して性欲が美容にいい、ということを言ってるわけではないんですよね。
 私の早合点というか、職業病なのかもしれませんが(笑)
 でも、意外と性欲と美容には関係があるのではと考えている業界人は少なくなくて、「オナニーをして女子力をあげよう!」なんていうキャッチコピーをたまに見かけます。
 個人的にはちょっと的外れかなと思います。

 要するに、キレイになるためにSEXをする、という論理は成り立たないのですが、じゃあこのテーマが言いたいことってなんでしょう。
 それは、アンケートの答えを見ると皆さん感じているようです。
 SEXをすることでキレイになるということではなく、SEXをするということを念頭において、体の手入れをしたり、女性らしい仕草を研究してみたり。
 その過程を経た人が、たまたまキレイになったというだけ。

 でも、キレイになることに、そもそも理由なんて必要なのでしょうか?
 仕事のため、恋のため、彼のため、そしてSEXのため。
 本当はそんな理由なんてなく、もっと自己満足で、自分のためにキレイになる努力をしてもいいですよね。
 自分以外の何かのための努力って、その何かがなくなったら動機がなくなるもろいものだと思います。

 私が思うのは、「愛されない(愛される予定がない)からキレイである必要がない」なんてことはないということ。
 自分自身が、もっと自分を愛してあげると良いんじゃないかなと。
 素直に自分のため、と言えない自分の弱い部分も、愛してあげたいですね。

脱こじらせへの道 第48回 セックスの要望、言えますか?

2017.06.09 Vol.692

 女性自身も、自分の性欲を認識しているということが前回のアンケートでわかりましたが、一方で、セックスにおいて、自分の思うことを相手に伝えられない、わかってもらえないという声も多く耳にします。
 GIRL’S CHの掲示板でもよく、「して欲しい」「やめて欲しい」ということをパートナーに伝えられないという意見を拝見します。

 そんなわけで、今回はこんなアンケートをとってみました。

「もっとこうして欲しい!セックスの要望をどうやって伝えますか?」

 やはり、実際にアンケートでも4割の方が「言えない」という回答でした。
「して欲しいこと」を相手に伝えるのが恥ずかしい。
 または、相手にどう思われるのかが怖い、不安。
 そんな理由から、自分の希望を伝えづらいようです。
 また、「痛い」「気持ちよくない」なんて言ってしまうと、相手を傷つけるのではないか……というところから「言えない」という場合もありますよね。

 一方で、「その場ではっきり言う」という方が4割もいらっしゃって、回答が真っ二つに分かれる結果となりました。

 はっきり言える女性は、相手に引かれたり嫌われたりすることが怖くないのでしょうか?

 そういうわけではないですよね。
 相手にどう思われるかは不安……だけど、自分の体や気持ちを大切にするのが一番だという理由から、伝えるべきところはきちんと伝える、ということなんだと思います。

 ただその場合、そういったことを言われ慣れていない男性の場合、それでへこんでしまうことがあるんです。へこむとまではいかなくても、冷静になってしまったり、萎えてしまったり。
 自分の気持ちはそんなつもりはないのに、下半身だけ元気がなくなってしまう、ということも。
 女性にとって、そんな男性の姿を一度でも見てしまうと、その後はあまり言えなくなってしまいますよね。

 例えばこのコラムを読んでくださっている男性にオススメしたいのが、男性のほうから「なんかあったら言ってね」と声をかけること。そういうことを言ってくれたら女性はうれしいと思います。ポイントアップです。
「気遣ってくれているんだな」と思えますし、男性から言ってもらわないと言えないということや場面もありますから。
 男性の皆さんも、「自分からそう伝えたから言ってるんだ」と自分に言い訳できるのではないでしょうか。そこは言い訳しちゃっても良いと思います。

 お互いにちょっとずつ言い合えるようになるといいんですよね。

 もちろんこういったところには、性格的な要素も関わってくるとは思いますが、愛し合っている人にすら意思を伝えられなければ、誰にも自分の思いを伝えられない、そうは思いませんか?
 今回、結果が二分されたというところには、相手に伝える「はじめの一歩」のハードルが高いということもあるように思います。

 一度伝えてしまえば、相手も聞いてくれる姿勢を持ってくれるかもしれませんし、「言っていいんだ」と安心できて、より言いやすくなるのではないでしょうか。

 女性は、社会的にも体力的にも受身になりがちですが、もっと自分の気持ちを大切にして、意見を言ったり行動したりしていいと思うのです。

脱こじらせへの道 第47回 何のためにAVを見る?

2017.05.26 Vol.691

 GIRL’S CHがオープンしてまもなく4年半。
 サイトを通して、女性だってAVが見たい!女性にも性欲がある!ということをずっと訴え続けてきました。
 このコラムの読者さんやサイトのユーザーさんにとっては、「いまさらこんな質問?」かもしれませんが、あえて今回はこんなアンケートをとってみました。

 性欲はありますか?

 GIRL’S CHはアダルトサイトなので当然なのかもしれませんが、皆さん性欲が「ある」「どちらかというとある」という回答。
「ない」という回答はありませんでした。

 この結果は、もしかしたら男性にはピンと来ないかもしれませんね。
 もっというと、サイトオープン前だったら、われわれ制作陣にとっても信じられない結果だったかもしれません。

 というのも、女性向けにAVを配信しているGIRL’S CHですが、「女性もきっとAVが見たいはずだ!」という確信はあったのですが、その理由が「性欲解消」なのかそれ以外なのかという部分においては、当時はまだ答えが出ていなかったのです。

 女性がAVを見る目的ってなんだろう?
 パートナーとの行為に役立つハウツーを学んだり、ドラマを楽しむのではないか?
 未開拓な市場なので何が求められているのかわからず、オリジナル動画ではバラエティーやハウツーやドラマなど、さまざまなジャンルの動画を作ってきました。

 それらの動画に対する反応は、ジャンルによってさまざまだったのですが、私たちが驚いたが「オナニーの仕方がわからない」という女性が多かったこと。
 どうやってするのか方法がわからない、自分の方法が正しいのかどうかが不安、というご意見を多くいただきました。
 当たり前ですが、「女性のオナニーの仕方」を教えてくれるメディアなんて今までなかったのです。
 だからAVを見て、ほかの人がどうしているかを学んで、自分のオナニーに対する不安を払拭しようとしていたのではないか?というのが私の意見です。
 参考にするのがAVであることが良いか悪いかはまた別の問題ですが……。
 少なくとも、「知りたい」という気持ちを後押しすることはできたのではないかと。

 時代は、「AVは男性のもの」から「女性もAVを見る」へ。
 そして、「?のためにAVを見る」から「ムラムラするからAVを見る」へ。
 アンケートの回答にもありますが、まだ女性の性欲について否定的な方もいらっしゃるようです。
 ですが、女性の性欲も、ここ数年でかなり認知されたとは言えるかと思います。

脱こじらせへの道 第44回 好きな人だから復縁したくない!

2017.04.14 Vol.688

 新年度が始まりました!
 弊社にも新入社員が入り、私はいよいよソフト・オン・デマンドに入社して11年目に突入しました。
 入社当時には、自分が女性向けのサイトを立ち上げ、コラム連載をしているとは全く想像していませんでした…。

 さて、新しい環境で新たな出会いのあった人もいらっしゃることでしょう。
 その一方で、過去の恋愛が忘れられないという人もいらっしゃるかと思います。
 そんなわけで今回は、こんなアンケートをとってみました。

「どうしても忘れられない…復縁したいと思う人はいますか?」

 75%の方が「復縁したいと思う人がいる」と回答。
「ない」と答えた方も、復縁したいとはまでは思わないけど、忘れられない人はいるという意見もありました。

 よく”女性は上書き保存、男性は別名で保存”なんて言いますが、意外と女性も過去の恋をしっかり覚えているようです。
 初恋の人、初めてできた彼氏、結婚を意識した相手…。
 自分の人生の節目を意識するような相手は特に印象深いようです。

 また、これまでに最も体の相性が良かった、初めてセックスでイク経験をさせてくれた、などセックスが忘れられないという場合も多々見られました。

「もしかしたら、元カノに連絡をとればうまくいくかも!?」
 そう思った男性の皆さん、まだ元カノに連絡をするのは早いです。

 今回も多くの女性がたくさんコメントを書いてくださいました。
 つまり、女性にとっては過去の恋愛は、「思い出として大切にとっておきたい」のです。
 忘れられない彼に、幻滅したくないのです。

 要するに、ここが男女の差なんですよね。
 男性は「元カノ(または自分のことを好きな女性)ならば、口説く努力なくセックスできるかもしれない」と考えるのに対し、
 女性は「好きな人だからこそ、簡単にセックスできる軽い扱いをされたくない」という。

 コメントに、こんなことを書いてくれた方がいらっしゃいました。
”忘れられない人がいます。でも、体の関係ならすぐに戻れてしまうので、あえて復縁しないようにしています。”
 多くの女性がこんな気持なんじゃないでしょうか。

「復縁した」という人も2種類いて、
「今の旦那です」という方もチラホラいれば、
「セフレ関係として継続しています」という方も。

 男性は、元カノと連絡をとる際には、ちゃんと付き合うか、ちゃんと気持ちよくさせるかの覚悟を決めたほうがいいかもしれませんね(笑)

脱こじらせへの道 第40回 女性がAVにストーリーを求める理由

2017.02.10 Vol.684

 この「脱こじらせへの道」もついに40回を迎えました。
 そんな中で今回は、過去もっとも過激な!?テーマを取り上げてみようと思います。

「AVの「中出し」プレイは好き? 嫌い?」

 TOKYO HEADLINE史上、「中出し」の3文字が掲載されるなんて初めてなのではないでしょうか…!?

 ええと、そもそも「中出し」って何?という方がいるかもしれないので、簡単に説明を。
 ひとことで言ってしまえば、AV作品での男性のフィニッシュシーンの表現方法のひとつです。

 AVは映像作品なので、見た目にわかりやすいクライマックスが必要とされます。
 特に、今のメインユーザーは男性が多いので、男性が共感できるクライマックスということで、射精シーンでひとつの作品の区切りとされることがほとんどです。
 射精がわかりやすいように女優さんの身体や顔にかけたりすることが多いのですが、それをせずコンドームをつけずに膣内で射精する描写を「中出し」と言うんですね。

 さて、なぜ今回このアンケートテーマを取り上げたかというと、この「中出し」描写、女性にとってはどっちでもいいという意見が多かったんですよね。

 女性向けAVと男性向けAVの違いとして、女性向けAVは物語性がある、ということを言われることがあります。
 これは誤りではなく、実際にドラマ作品が多いのですが、女性向けAVの場合はプレイに必然性が求められる、というのが正確な言い方なのではないかと思います。
 たとえば、セックスをする男女ふたりはどういう関係があって、どんな思いでそこに至ったのか、というような。

 だから射精シーンも、そのふたりがどんな思いでそれを受け入れたかが重要なのです。
 ふたりの関係性を踏まえた上で、中出しや射精シーンが必然的なのであれば、女性ユーザーも感情移入して見ることができます。
「夫婦設定なら違和感なく見られる」という意見もありましたが、この夫婦は愛し合っているから中出しをしたんだな、とか想像できるところが良いようです。

 一方の男性ですが、「中出し」というジャンル自体を好む方が結構いらっしゃいます。
 単体女優さんの「中出し解禁」ものは売れ行きが伸びますし、タイトルに「中出し」という言葉が入った作品も多数見られます。

 アンケート結果にもありましたが、普段なかなかできないプレイだからこそ興味がわくという男性も多いでしょうし、征服感がある・支配欲が満たされるという意見もあるかと思います。
 男性ファンにとってはどちらかというと、この「中出し」という行為自体にプレミアム感を感じているのではないでしょうか。

 とは言っても、以前このコラムでも書いたのですが、AVはエンターテイメントであり、そこで描かれる「顔射」や「中出し」は演出上のものですので、世間的にこれが標準というわけではありません。そこは勘違いのないように改めて書いておきます。特に「中出し」については…ですね。

 2017年は男女の違いにフォーカスを当てていますが、今回のテーマでも男女の違いは大きく現れますね。

 男性は「自分の種を残したい」という思いが強く、だからこそ女性への征服感が強く出る「中出し」という行為に共感する人が多いのだと思います。
 対して女性は、「この人の子供を産みたい」という「特定」を意識することが多く、必然性を求める、ということが強く現れた結果となりました。

 とはいえ、最近はそればかりではないという傾向もあります。
 エロメンや人気AV男優の女性ファンが増えてきたことにより、好きな男優さんの感じている姿を見たいということで、あえて射精シーンを見たいという女性ユーザーの声を聞くことも多くなりました。
 ですのでGIRL’S CHではあえて男優さんの射精シーンを撮ったりしているなんてことも。

 これまでは男性ユーザーがほとんどであったAV業界も、女性ユーザーが徐々に増えてきたことによって、中出しや射精シーンもこれまでと違った描かれ方をしていくのかもしれませんね。

脱こじらせへの道 第39回 男女で違う「勝負下着」の考え方

2017.01.27 Vol.683

 前回は、女性と男性の無駄毛処理に対する意識の差から、女性は同性の外見に厳しいというお話をしました。
 それに続き、今回はこんなアンケートから、男女の意識の違いを考えてみたいと思います。

「好きな人と会うときに着ける」「常に勝負下着」勝負下着、ありますか?

 勝負下着、いわゆる「いざというときにつけるお気に入りの下着」というようなものと言えるかと思います。
 前回の無駄毛処理と違って、「ある」が「ない」を若干上回る程度となりました。

 よく聞くエピソードですが、女性の皆さん、せっかくお気に入りの下着をつけていたのに彼が気付いてくれない、という経験はありませんか?
 男性は女性の下着をあまり見てくれていないと感じる女性は多いのではないでしょうか。
 高い下着でも男性からはそう見えなかったり、その逆で、安い生地の下着が男性に好まれたりするということもあります。
 実際男性に聞いても、全然女性の下着の値段はわからない、なんて言われることもありますよね。
 だから女性は、勝負下着を用意してもがっかりしてしまうということも多いのかもしれません。
 そんな経験を経て、あえて勝負下着は持ってないという方が意外と多かったのかもしれませんね。

 今回のアンケートで興味深いのは、実際相手に見せるタイミングがなくても勝負下着をつける機会がある、という意見があったことです。
 誰かに見せる目的ではなく、自分自身の気分をあげるためにお気に入りの下着をつける、ということみたいです。

 今回の勝負下着に限らず、大事な日にお気に入りの服を着たり、香水をつけたり、というような行動は、女性なら共感できるのではないでしょうか?

 大事な日だから、いつもより魅力的な自分になりたい。
 好かれたい、好かれる自分でいたい。

 そういった気持ちから、自分をよりよく見せたいと思い、こういった行動に出るのではないかと思います。
 女性にとってはそのくらい、「好かれる」「愛される」ということが大事なんですよね。

Copyrighted Image