第49回衆議院議員総選挙は10月19日に公示され、31日の投開票日に向け、熾烈な戦いが展開されている。
現在の日本は昨年来の新型コロナウイルスの影響で経済、教育、生活といったさまざまな分野で疲弊が見られ、これまでにも増して有権者には次の政権の政策遂行能力やスピード感などの見極めが要求される選挙となっている。
その中で投票行動にあたって軸となるのはなんといってもこれまで政権を担ってきた自民党の政策になるだろう。その観点から前回( https://www.tokyoheadline.com/579189/ )では自民党が10月8日に発表した8つの分野の重点政策のうち(1)感染症から命と暮らしを守る。(2)「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築する。「全世代の安心感」が日本の活力に。(3) 国の基「農林水産業」を守り、成長産業に。(4)日本列島の隅々まで、活発な経済活動が行き渡る国へ。の4つについて読み解いてきた。今回は残りの4つについて検証する。
まずは5番目の「経済安全保障を強化する。」
「経済安全保障」というのは聞きなれないネーミングだが、これは先の自民党総裁選で岸田文雄首相が掲げた新しい政策分野。首相は組閣では経済安保相のポストを新設、小林鷹之氏がその任に就いた。有事の際にも必要な物資を国内で調達できるようにすること、日本の機微技術、先端技術、戦略物資の海外流出の阻止、サイバー攻撃対策、といった幅広い分野で国民の生命や財産を守るべく取り組んでいくという。選挙に勝って政権を維持すれば、来年の通常国会で戦略技術・物資の特定と技術流出の防止等に資する「経済安全保障推進法(仮称)」の制定を目指すことになる。