「幽霊より、人間のほうが恐ろしい」―。昨年、放送されたNHK BSプレミアムドラマ『令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear』に続き、赤坂大歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』(新型コロナウイルスの感染拡大と政府の緊急事態宣言を受け全公演中止)で、名作・怪談 牡丹燈籠に新たな視点で挑んだ歌舞伎役者・中村七之助。古典を守り継ぐこと、新たな挑戦を続けることに、込める思いとは。
(※このインタビューは2020年2月に行われたものです)
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「怖いものなしの3人」獅童、勘九郎、七之助が3年ぶり赤坂大歌舞伎で新作・牡丹灯籠
中村勘九郎×中村七之助×蓬莱竜太 赤坂の街を華やかに彩る「赤坂大歌舞伎」、今年は新作に初挑戦!
2008年9月に十八代目中村勘三郎の“芸能の街・赤坂で歌舞伎を!”という思いから始まった「赤坂大歌舞伎」。これまで古典歌舞伎で観客を魅了、赤坂の街を盛り上げてきた。2013年からは、勘三郎の意志を継ぎ、中村勘九郎、中村七之助が中心となり赤坂大歌舞伎を継承。5回目となる今年、人気の劇作家・蓬莱竜太作・演出の新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』を上演。歌舞伎ファンだけではなく、演劇ファンからも注目を集めている。
初の新作で今年も開催「赤坂大歌舞伎」
2008年9月、十八代目中村勘三郎の“芸能の街・赤坂で歌舞伎を!”という一言から始まった「赤坂大歌舞伎」。世話物の傑作『狐狸狐狸ばなし』/松羽目物『棒しばり』が大成功を収め、2010年には山田洋次監督補綴の『文七元結』/舞踊『鷺娘』で観客を魅了した。
2013年、亡き勘三郎の遺志を継ぎ、中村勘九郎、中村七之助兄弟を中心に、勘三郎の当り狂言であった『怪談乳房榎』を上演。「赤坂大歌舞伎」の新たな歴史の1ページが幕を開けた。2015年には、糸操りの人形が三番叟を踊る、ユーモア溢れる舞踊『操り三番叟』と、七役の早替りが見所の『於染久松色読販 お染の七役』を上演。『操り三番叟』では、勘九郎が軽やかさと力強さを備えた舞いを繰り広げ、『お染の七役』では、七之助が2012年の平成中村座公演での初挑戦以来、2度目の七役に挑んだ。
そして、5回目となる2017年4月は、「赤坂大歌舞伎」初となる新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』を上演。新作の作・演出は、勘九郎・七之助と同世代で、演劇界で注目を集め続ける新進気鋭の劇作家・蓬莱竜太。勘九郎は「(作・演出の)蓬莱さんは自分と同世代の若い劇作家さんですが、本当に面白い作品が多く、一度歌舞伎を書いてほしいと思っていたので、夢が叶ってうれしいです。この新作は、どんでん返しに次ぐ、どんでん返しのすごい話です(笑)。歌舞伎ならではのファンタジーさを組み込んで書いて下さると思うので、お客様にはそこを期待して見に来ていただきたいですね」と新作に期待を寄せたコメントを発表。今年も歌舞伎が赤坂の街を盛り上げる。