「Krush.78」(8月6日、東京・後楽園ホール)で開催される「Krush -60kg次期挑戦者決定トーナメント・決勝戦」でグローブを交える大沢文也と郷州征宜が決戦を前にその思いを語った。
大沢「今自分はジム長。自分たちの練習が間違いではなかったと証明したい」
――準決勝の横山巧戦で減量方法を変えたそうですが、新しい減量方法が身体に合わなかったようですね。
「まじで前回は体重が落ちなかったんですよ! 試合に出場できないと思うぐらいやばくて、新しい減量方法は本当にダメだと思いましたね。計量会場まで歩いていけなくなるぐらいヘロヘロで、試合当日もほとんどアップできなかったので、今回からいつもの減量方法に戻します(苦笑)」
――ただし1回戦の稲石竜弥戦は膝の負傷があって、準決勝の横山戦は減量失敗があって、大沢選手はコンディションが悪いとダウンを奪って勝ってますよね?
「そうなんですよね。コンディションが悪いとダウンを取って、そのあとは逃げるという(笑)」
――コンディションのことはあったにせよ、1回戦・準決勝と非常に集中して戦っている印象もあります。
「最近は練習の時から周りの声を聞くことを意識しているから、かもしれないですね。自分は一発もらっちゃうと『コノヤロー!』と思っちゃうところもあるんですけど、そこを冷静に戦えるように心がけています」
――横山戦でダウンを獲ったパンチの手応えはありましたか?
「いや、『あっ! 倒れた!』ぐらいで、全然パンチの手応えはなかったですね。ただ狙っているパンチではありました」
――相手の横山選手はプロ無敗で勢いのある選手でしたが、戦ってみてどんな印象を持ちましたか?
「いつも自分は試合前に客観的に自分の試合を分析して、どのくらい有利かを決めているんですよ。で、横山戦は悪くても7割、良くて8割くらいで自分が勝つと思っていました。まぁ…今回はコンディションが悪くても6割は俺が勝つと思っていました。横山選手は無敗の相手で強いとは思ったんですけど、自分の力を出せば全然勝てるって感じでしたね」
――そして-60kg次期挑戦者決定トーナメント決勝は郷州征宜選手と対戦が決まりました。大沢選手は郷州選手と闘士選手はどちらが勝つと思っていましたか?
「ぶっちゃけ郷州選手が勝つと思っていましたね。だけど正直、闘士選手のほうが戦いやすかったので、闘士選手に勝ってほしかったです。俺と闘士選手のほうが試合が盛り上がると思ったんですけど…郷州選手が相手でも全然いいっす」
――郷州選手は猪突猛進で直進的なファイターですが、そういった相手はやりやすいですか?
「相性は最悪ですね(苦笑)。じゃんけんで例えるなら俺がチョキで、郷州選手はグー。そのままやったら負けるじゃんって感じなんですけど、俺はパーにもなれるチョキなんで問題ないですね。郷州選手は誰が相手でもファイトスタイルを変えるタイプではないので、逆に俺はたくさんテクニックを出していこうかなと思っています。パワーとスタミナでは負けちゃうけど、スピードとテクニックでは絶対に負けません」
――郷州戦に勝てば次はタイトルマッチです。何としても勝ちたいという気持ちは変わらないですか?
「本当に勝ちたいっす。負けられない理由もいろいろとあるんですよ。僕、本当に好きな女の子がいたんですけど、試合の1カ月前にガチでフラれたんです。これで試合でも負けたらめっちゃダサいと思うので、勝ち続けて来れてよかったっす(笑)」
――第5代王座決定トーナメントでは準々決勝敗退でしたが、今再びベルトを巻くチャンスが巡ってきました。ベルトが欲しい気持ちも徐々に強くなっていますか?
「ここは俺がベルトを獲らないとダメだなと思っています。今自分はTANG TANG FIGHT CLUBのジム長で、俺がベルトを獲らないと今のジムは始まらないと思っているんですよね。俺がベルトを獲って後輩たちが『やった! 文也くんがベルトを獲った!』や『自分たちのジム長がチャンピオンなんだ!』と思ってもらって、自分たちの練習が間違いではなかったと証明したいっす。俺はSNSではすげえ遊んでいる遊び人だと思われていますけど、練習はしっかりやっていて後輩たちには『俺についてこい!』って言っています。それを言っている以上、俺たちの練習が間違っていなかったことを証明したい。そのためには結果が必要なんで、必ず俺がKrushのチャンピオンになりますよ」