プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 SUNRIS TOUR 2015~New Year Fight~」後楽園ホール大会が1月30日開催され、メーンで行われたWRESTLE-1チャンピオンシップで武藤敬司が征矢学を19分34秒、足4の字固めで破り、2度目の防衛を果たした。
征矢は昨年末の大会で、ベルトを防衛した直後の武藤にリング上で挑戦を表明したものの一言「保留」とばっさり断られ、赤っ恥をかかされた。しかし今年最初の1・11後楽園大会でタッグマッチながら武藤からサソリ固めでギブアップ勝ちを奪い、実力でこの日の挑戦にこぎつけた。
対戦が決まってからも武藤から「ギミックレスラー」「ただのバカ」とおちょくられる征矢だったが、この日はいつものワイルドボンバー、デスバレーボムといったワイルド殺法に加え、武藤の得意技であるドラゴンスクリューを踏ん張ってしのぎ、そこから三角締めに移行するという作戦で武藤を翻弄。ワイルドにインテリジェンスをトッピングした戦いぶりで再三、王者を追い込んだ。しかしインテリジェンスの戦いになっては武藤のほうが一枚も二枚も上。ならばとばかりに、征矢が前回の対戦でギブアップを奪ったサソリ固めを狙うと回転して変形の4の字固めへ。そしてエプロンの征矢へのドラゴンスクリューで流れを変えると、逆回転のドラゴンスクリューと征矢の上を行く武藤。最後はシャイニングウィザード、セカンドロープからの低空ドロップキック、正調のドラゴンスクリューと畳み掛け、足4の字固め。「選手生命の危機を感じた」という征矢はたまらずギブアップした。
シャイニングウィザードを何度も防御され、雪崩式フランケンシュタイナーまで繰り出しての勝利に武藤は試合後、「ただのバカと言ったのは訂正する」と征矢を称えた。試合中にスタミナが切れかかる場面もあり「ヒザが悪くて心肺機能を鍛えるトレーニングができない。15年前の武藤敬司を100としたら今は30くらい。ごまかしてプラス40の70でやってる。正直焦りは感じている」と話した。
この日は次期挑戦者に名乗りを上げる選手が現れなかったことから、次の防衛は「他団体かも。他団体だと遠慮がないから落とす可能性もあるな」と語った。
セミファイナルでは「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」が行われ、カズ・ハヤシ、近藤修司組のチーム246がデスペラードのKAZMA SAKAMOTO、土肥孝司組を破り、4度目の防衛を飾った。1・11後楽園大会で防衛後の王者を襲い、ベルト強奪という暴挙を働いたデス軍は「デスペラード式ピラニアマッチ」という特別ルールとサブレフェリーとしてMr.ロバートという謎の外国人の採用をゴリ押し。王者組がその条件を飲んだことから、試合は思いがけない展開に。
まずはゴング前にメーンレフェリーの神林レフェリーを土肥がラリアットで蹴散らすと、ロバートがゴングを要請。ちゃっかりメーンレフェリーの座についてしまった。実力的には1枚も2枚も上の王者組だが、リング下に落とされては河野、TAJIRIの攻撃を食らう。リング上ではロバートレフェリーの高速カウントや王者組のタッチを認めないという悪徳レフェリングに悩まされ、あわやというところまで追い込まれた。調子づいてリング上にまで乱入してきたデス軍だったが、ここに落とし穴が。TAJIRIの毒霧がロバートレフェリーに誤爆。レフェリー不在の無法地帯となったリングに今度はWRESTLE-1のセコンド陣が堰を切ったように乱入し、河野とTAJIRIを排除すると近藤がキングコングラリアットで土肥をフォール。蘇生した神林レフェリーが3カウントを数え、王者組が勝利を収めた。
試合後にはこの日、中之上靖文、児玉裕輔組を破った吉岡世起がリングに現れ、田中稔とのコンビで対戦を要求。タッグ戦線は246を中心にめまぐるしく動いている。