劇作家・演出家の野田秀樹氏が芸術監督に就任後、東京芸術劇場では「RooTS」と題した自主事業で、日本の現代演劇の源流を探るためにアングラ時代の戯曲を掘り起こし、若い演出家がチャレンジする企画を実施している。この「RooTS」の延長戦上にあるのが、野田戯曲を野田氏以外の人が演出することにも積極的に取り組む企画。
今回は演出家・熊林弘高が『パンドラの鐘』の演出を手掛ける。
同作は1999年が初演なのだが、野田と故蜷川幸雄氏がほぼ同時期にそれぞれが演出した作品を上演し、大きな話題を集めた。
「現代」と「古代」を行き来する物語なのだが、野田、蜷川演出では別々に演じていた異なる時間軸の登場人物を熊林演出では1人2役で演じる。過去に同作を見たことのある人にも新たな出会いとなる作品となりそう。