もう10月ですね〜。早いなあ。朝晩は肌寒くて、日中はまだちょっと暑かったりと寒暖の差が激しいので、洋服の脱ぎ着に忙しい(笑)。でもこうして、だんだんと寒くなっていくんですよね〜。
さて先日、来年1月に出演させていただく舞台『画狂人・北斎』の取材で、すみだ北斎美術館に行ってきました。車で向かって、駐車場で降り、美術館の建物とそのすぐ脇を走る総武線の走る高架を見た瞬間、「あ、この建物知ってる〜!」となり、びっくりしました。いつも、総武線の車窓から外の景色を見ていて、気になっていたとても印象的なデザインのガラス張りの建物! これは一体何なのだろう? と見る度に思っていたのですが、それが、今回取材で行ったすみだ北斎美術館だったのです。
その日は演出の宮本亜門さんと、共演させていただく升毅さんとの対談形式で取材でした。取材の後、館長さんに美術館内を案内していただき、北斎の作品を見ながら、いろいろなお話をお伺いしました。
皆さんもご存知の富嶽三十六景は、北斎が72歳の頃から手掛けた46枚の連作です。中でも凱風快晴、山下白雨、神奈川沖浪裏など有名ですよね。北斎は昔から波をテーマに作品を制作していて、40代の頃の作品「おしおくりはとうつうせんのづ」も展示されており、初めてそれを見ました。神奈川沖浪裏と構図は似ていましたが、全く印象は違います。波は全体的に丸みを帯びていて、私にとっては何だかちょっとだけユーモラスにも見える波でした。神奈川沖浪裏の波が持つあの圧倒的な迫力はありません。同じ人物の作品なのか?と思うほどでした。そこから30年をかけて、あの波に到達するのですね。
北斎は「天我をして五年の命を保たしめば、真正の画工となるを得べし」などの名言を残していますが、北斎を知れば知るほど、舞台『画狂人・北斎』が楽しみです。