さて、今回は、前回の記事で私が一緒に時間を過ごした「ゆう」さんと、代表の御坊さんにお話を聞いてみました。
――今回利用にあたってサイトの注意事項を見てびっくりしたんですけど、すごくルールが細かい。男性向けの風俗だったら明言しないようなことも書かれてて、すごくデリケートにやられているんだなと感じました。
御坊「最低限のルールがあればいいかなと思ったので。通常言ったらわかるやろということも、ルールの隙間をかいくぐってやってしまうお客様もいます」
ゆう「告白というのも禁止にして、一線を越えないようにね。何回か会うと好きになったりしてしまう、ハマってしまうという人も少なくないです」
御坊「やっぱり初回より2回目に長い時間とるお客様が多いです。早ければ2、3回目かでお泊りコースとか。金額も高いから勇気が必要なコースですけどね」
ゆう「でもそれくらいハマるということはやっぱり、心と体のオアシスになってるということ。すごいと思います」
――お客様はどういう方が多いですか?
ゆう「私の場合は、もの静かな方が多いですね。言葉じゃなくてお手紙とかで思いを伝えてくれるような方とか」
御坊「全体的にはそういう層ばかりという感じではないんですが。ゆうさんの場合はやっぱり、永田カビ先生の本の影響ですね。この作品を見て、この店がいい、このキャストがいいというお客様が増えてきた」
ゆう「私の場合、年齢層でいうと20代後半から40代くらいまでの間が多いですね」
御坊「キャストによってお客様の年齢層はばらけますね」
ゆう「あとはいわゆる処女のお客様。男性経験、女性経験どちらも無いというお客様が増えましたね」
御坊「年末年始で募集したお客様アンケートでは、女性経験が0のお客様が7割でした」
お客さんにはどういった人が多いのか?
――セクシャリティの自認みたいなのでいうとどんな方が多いですか? 未経験ながらも女性の方に興味があるのか、そういう意識は特にないのか、とか……。
ゆう「割合では出せないですが……まず男性とも女性とも経験がなくて、ただ触れ合いたいとかぬくもりが欲しいというお客様。普通に結婚して子供がいて、旦那とそういうのがなくなってくる寂しいっていうお客様。あとは昔女性経験があって、歳を重ねてもう一度女性との性的な気持ちが湧き出てきたといって来るお客様。それと、結婚してなかったりずっと彼氏がいなかったり。あと、彼氏と別れたばかりでさみしいという方。結婚する前に経験しときたい、願望叶えてから結婚したいというお客様もいましたね。あ、あと鑑賞コースもあるんですけど、それはまた違った客層ですね。男女のカップルで予約して、彼女を気持ちよくさせてほしいというお客様とか」
――割と、特別「女性同士」ということに強い思いを抱いている人は少ないような印象ですね。どうしても女性じゃなきゃだめ、というような人は少ないんでしょうか?
ゆう「女性じゃなきゃダメって方もいますね。男性がダメ、とか」
御坊「レズヒアンじゃなきゃダメってお客様も」
ゆう「そういう場合は、キャストの過去の男性経験のことですら知りたくないっていう方も多いですね」
――ゆうさんは今現場監督もされてるそうですが、具体的にどういうことをされているんでしょうか?
御坊「新人が入ってきた時の講習ですね。それ以外でも、実際に現場で働いてみてこういう時どうしたらいいですか?っていうことの相談を受けてもらってる。僕にはわからないことなので」
ゆう「例えばデートでどんなことをしたらいいかとか、ホテル事情とか。ここはお風呂が大きいとかきれいとか、メンバーカードがあって使いやすいとか。悩み相談ももちろん受けます」
――話を聞いてると、本当に、利用客に合わせてオーダーメイドでやってるんだなっていう感じが強いです。男性キャストがくる女性向け風俗の場合、流れは決まっているというか。最初にこれがあって次これがあって……そういうのが、お店だったり男の子だったり、全部一緒なことが多いんですよね。カウンセリングシートで、最初にしたいことされたくないことを書いたり。
御坊「店のマニュアルにそういうのがあってそれに合わせて流れ作業みたいな感じですか? それはうちの店ではないですね、プレイのマニュアルはないです」
ゆう「基本的なルールはあります。お店に連絡を入れるとか、連絡先の交換禁止とか。でも接客については、意外と細かいようでないですよね。あとはキャスト同士でどうだったとかしゃべるくらい。キャスト自身の経験とお客様の要望を聞きながら一緒に作ってって。だからこそ、個人個人の良さがあると思います」
――例えばお客様がこうしてる間バスタオル出しておく、とかそういうのも?
ゆう「そんなんは無いですね。そこは基本で知ってることでしょ? みたいな」
御坊「ホテルによって置いてるものや数も違いますし」
ゆう「いっぱい話したいという方は、話す時間を長くとったり。あと、ビアンコースをとってるのに一切しないという方もいます。一緒に映画を見てお揃いのパジャマを着て過ごすとか。お客様それぞれの利用方法があると思います。やったことないことを一緒にやるとかね。海に行ったことないから一緒に行くとか、工場見学行ったりとか、苦手な食べ物を克服したりとか、お酒飲みたいお客様だったらその方にあわせてお相手させてもらうとかもあります」
10年やって変わったことと変わらないこと
――10年やっていて一番変わったことってなんですか?
ゆう「人間力ですかね。もともと人見知りしない明るい性格だったんですけど、いろんな人と接することで、やっぱりタフになりましたね」
御坊「筋肉ついたな」
ゆう「特に右手が(笑)」
――逆に変わらなかったことは?
ゆう「女性が好き。女性を喜ばせることが好き、ってことは変わらないですね」
――あと何年続けていきますか?
ゆう「それはわからないですね。ほんとは10年でやめようかと思ってました」
御坊「大阪万博までやな(笑)」
ゆう「2025年? 長っ!(笑)。元気な限り、あと本業が忙しくならないうちは続けたいですね。お客様からも、(わたしが)おらんようにならんでくれって言ってくださってるので」
女性同士だから分かる部分が大きい
今回こちらのお店を利用して、さらにお話しをお伺いして、スタンダードなお店ながらも非常に独創的だなと感じました。
ルールの表記や、伝言欄、当人にしかわからないブログの書き方などに、キャストとお客様を守るためのこだわりが強く表れているように思います。
それとともに、女性向け風俗について、男女キャストでの違いというのも大きく感じました。
インタビューの中でも書いた通り、男性キャストの場合は、マニュアル通りという印象が強いのですが、女性キャストの場合はオーダーメイド。
女性だからこそいろいろ察して対応する能力が高いということ、女性同士だから分かる部分が大きいということの両方が影響しているように思います。
そういった意味で、レズ風俗は女性にとって、性的な快楽だけでなく、コミュニケーション欲求を満たす役割を果たしている、重要にして特殊な業種なのかもしれません。
レズ風俗の利用料金は、決して安くありません。
今回私が利用したコースは、ホテル代等含めると4~5万円ほどかかります。
それでも、金額に見合った貴重な体験をさせてくれて、とても満足度が高かったです。
女性は大切にされなければならないし、そのためには、利用者にとっても働く側にとっても、金額は高くてもしかるべきだと感じました。
今後女性向け風俗には様々なサービスが増えることが予測されますが、利用者も運営側も、性的な欲求を満たす以上に、女性を大切に扱うことを重視したサービスになることを願っています。