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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 8
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実弾生活の面白さの秘密を探るチャンス! オムニバスコント「実弾生活20 サメなる浜辺」

2019.08.20 Vol.721

 ある時はコメディアンのインコさん、またある時はマルチアーティストのリタ・ジェイ——がプロデュースするオムニバスコントライブ「実弾生活」の新作公演。

 出演するのはコメディアン、俳優、ミュージシャンといったジャンルにとらわれない、なにか一癖も二癖もある者たち。インコさんをはじめとしたお笑い芸人と女優やミュージシャンといった異ジャンルの者同士のからみは不思議なリズムを奏で独特の笑いを生む。

 最近は続けて出演する女優陣が増え、からみが熟成されてきた感もあり、中毒性は増すばかり。

 回を重ね今回でもう20回になるのだが、この本公演とでもいうべく「実弾生活」以外にも今年2月に上演した短編の連作二人芝居「実弾生活デュエル」や昨年12月に長編の演劇作品を扱った「実弾生活アナザー」など数々の顔を持つ実弾生活。このへんの多彩な展開はマルチアーティストとして活躍するリタ・ジェイの引き出しの多さによるもの。

 今回も本公演中に一度だけ出演者による企画・トークのライブ「雑談生活」を開催。実弾生活の面白さの秘密を探るチャンスともいえる機会なのでこちらもチェックしたい。

この夏、必ず見ておきたいショーのひとつ「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」

2019.08.19 Vol.721

「ブラスト!」は、ブラス・マーチングバンドをベースに、打楽器や管楽器の演奏、色とりどりの旗を振るカラーガードやバトンを操るダンサーたちが加わって展開する、エネルギッシュなエンターテインメント。
2003年に日本に初上陸して以来毎年、魅せるステージで多くの人をくぎ付けにしてきた。

 今年の「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」は、「ブラスト!」と魅力あふれるディズニー音楽が融合して生まれたショー。誰もが1度は耳にしたことがあるだろうディズニーの名曲の数々を、「ブラスト!」ならではアレンジとパフォーマンスで届ける。

 演奏曲は、『アラジン』の「フレンド・ライク・ミー」、『美女と野獣』の「ひとりぼっちの晩餐会」、『メイン・ストリート・エレクトリカルパレード』など。ショーの時間は約2時間。そのあいだは、もれなくハッピーな魔法にかかることができるはずだ。

 また今年のツアーはいつになくスペシャルだ。2000年に初の日本人パフォーマーとして入団し、初来日を果たしてからずっと『ブラスト!』を率いてきたパーカッショニストの石川直が、このツアーを持って卒業することを発表している。今後は、これまでとは違う立場からカンパニーを支えるという彼の、ラストステージ。いつも以上にパワフルで楽しく、エモーショナルなものになることは、間違いなさそう。この夏、必ず見ておきたいショーのひとつだ。

ヨーロッパ企画第39回公演『ギョエー!旧校舎の77不思議』

2019.08.05 Vol.720

 年1回のペースで行われるヨーロッパ企画の本公演ツアーの季節がやってきた。

 昨年は結成20周年ということで、代表作の『サマータイムマシン・ブルース』とその続編『サマータイムマシン・ワンスモア』を交互に上演するという豪華版。11都市で2万4000人以上を動員した。

 そんな周年記念の翌年はどういう企画をやるにしてもどうしても“地味感”が出てしまい難しいものなのだが、結成21年目の今年は新境地ともいえる「オカルト」ものに挑戦というファンを裏切らない企画を持ってきた。

 作・演出の上田誠は「そもそも理系で怪異や怪現象へは懐疑的。そういうことが身に降りかかったり、霊的なものにとりつかれたこともない」とのことで、今回は「フィクションと割り切って」作品を仕上げたという。

 チラシのビジュアルも恐怖漫画の巨匠・楳図かずお監修によるイラストを使用するなど、やるとなったら徹底的。

 これまでも「企画性コメディ」といった特殊なシチュエーションの作品を生み出し続けている彼らによる「オカルト青春コメディ」。多分、怖いのが苦手な人でも大丈夫なはず?

 関東地区では東京公演の後、全国を回って9月28日には横浜の関内ホールに戻って来る。

どんな「笑って泣けるコント」を見せてくれるのか「MONO 特別企画vol.7『涙目コント』」

2019.07.30 Vol.720

 劇作家・演出家で俳優としても活躍する土田英生が代表を務めるMONOが今年結成30周年を迎えた。その記念企画の第2弾として行われるのがこの『涙目コント』。

 字面でなんとなく伝わるかと思うのだが、目指すところは笑えるだけではなくオチを聞いて涙目になる「笑って泣けるコント」。これまで土田が大切にしてきた「アンサンブル」と「物語」をベースとした新たな挑戦となる。

 本作にあたり、他の劇作家からの脚本の提供を受ける。

 イキウメの前川知大からは2006年に初演された『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』を提供してもらい、iakuの横山拓也、オイスターズの平塚直隆の2人には『ゴッド——』と同じ「屋上」を舞台にした新作を書き下ろしてもらった。そして土田も同様の設定で新作を書き、この4作品を緩やかな一つのストーリーに仕上げるという、ただのコント集には終わらない作りとなっている。

 ちなみに前川の『ゴッド・セーブ・ザ・クイーン』は投身自殺寸前の女とその前に現れた2人の謎の男によるストーリー。死を目前にしながら軽妙な会話劇が繰り広げられる。

 果たしてこの物語をベースにどんな「笑って泣けるコント」を見せてくれるのか。

東出昌大を主演に迎えての新作書き下ろし「M&Oplaysプロデュース『二度目の夏』」

2019.07.16 Vol.720

 M&Oplaysが作・演出に岩松了を迎え定期的に行っているプロデュース公演では、これまでに宮藤官九郎主演で『アイドル、かくの如し』『結びの庭』、小泉今日子主演で『家庭内失踪』、堀井新太、黒島結菜を中心とした若者の群像劇『少女ミウ』など多くの話題作を発表してきた。

 本作はその最新作。東出昌大を主演に迎えての新作書き下ろし。湖畔の別荘を舞台に大人の男女が繰り広げる「嫉妬」をめぐる物語となる。

 何不自由なく育った田宮慎一郎は代々続く田宮家の会社を継ぎ、6代目の社長となった。そして2年前に美しい娘・いずみをめとる。夏の間は郊外の別荘で暮らすのが田宮家の習慣で、この夏も別荘には2人の姿があった。その別荘には田宮家に関わる人々の他に、慎一郎の後輩で親友でもある北島謙吾も滞在していた。謙吾は慎一郎が東京へ出張する間、いずみの遊び相手を務めていたのだが、やがて2人の間に噂が立つようになる。これをきっかけに周囲の男女の関係性が微妙に崩れ、それぞれの「嫉妬」からさまざまなドラマを生んでいくことになる。

 主人公・田宮の東出、その妻・いずみの水上京香は岩松作品は初出演。物語のキーマンである北島役は岩松作品には4回目の出演となる仲野太賀が任された。

劇団☆新感線の最新エンタメ時代劇!

2019.07.14 Vol.720

 今年で旗揚げから39周年を迎えた劇団☆新感線が“39(サンキュー)興行”として放つ夏秋公演『けむりの軍団』。いのうえ歌舞伎《亞》alternativeと銘打ち、戦国時代を舞台に大名家を飛び出したお姫様と彼女を守る浪人二人が中心の歌、笑い、チャンバラありの痛快娯楽時代劇。主人公の浪人・真中十兵衛を演じる看板俳優の古田新太、大衆演劇界から早乙女太一、若手アクション俳優として名高い清野菜名と須賀健太。高田聖子、粟根まことほか劇団員もほぼフルメンバー登場し、往年のファンにもうれしい。

世界を震撼させた名作バレエ、マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』

2019.07.11 Vol.720

 白鳥を男性がダイナミックに踊って世界を震撼させた名作バレエ、マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』が再来日、11日から開幕する。

『白鳥の湖』といえば、クラシックの中のクラシック。バレエはほとんど知らない人てもバレエをイメージして浮かんでくるのは、この作品の一部であることが多いはずだ。マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』は、その作品を、マシュー・ボーンが新たな解釈で表現したもの。オリジナルの優雅や繊細なイメージもありながら、それ以上にパワフル、エナジー、迫力、そして衝撃といった印象で迫ってくる。なかでも、スワンを演じる男性ダンサーたちの群舞にはあまりの迫力に身を引いてしまうほど。かつて本紙とのインタビューで、演出のマシュー・ボーンは「本物の白鳥を見ていると分かるよ、彼らは意外と獰猛なんだ」と話していたが、舞台上のスワンたちは彼が形容したまま。威嚇されると、本当に怖い。

 今回の来日公演は新演出版。本作は1995年の初演以来、手が加えられることがなかったが、約20年の時を経て、マシュー・ボーン自身が手を入れて、“アップデート”したのだという。新たな技術を取り入れて、ドラマが際立ち、スワンたちのどう猛さも増しているのだとか……。

 何度も来日公演が行われ、毎回足を運ぶリピーターも多い。この夏、最も見ておきたい作品のひとつ。

人生について考えてみる 演劇団体「桃尻犬」『山兄妹の夢』

2019.06.21 Vol.719

 桃尻犬の主宰で作・演出を務める野田慈伸は俳優としても多くの舞台に客演。その独特の風貌と癖のある役を演じることが多いことから顔を見れば「ああ、この人」と思う人も多いかもしれない。

 その一方でNHKちょいドラ2019「尽くす女」の脚本、人気劇団「玉田企画」最新作「かえるバード」への脚本協力など、脚本家としても活躍中だ。

 そんな野田による桃尻犬の作品では人間の悪意や杜撰さ、どうしようもなさ。そして人生のくだらなさ、つらさ、どうしようもなさといったものがポップに楽しく、HAPPYに描かれる。

 今作は熊本の山小屋にこもり実の兄妹でわいせつDVDを違法に販売し、家族ぐるみでおよそ4億円を荒稼ぎした実際の事件をモチーフとしたもの。

 主人公の兄妹は将来小さな喫茶店を作ることを夢見、その資金を作るために今はせっせと山小屋でわいせつDVDを作っている。その山にはさまざまな人々が迷い込んでくる。遭難者はもとより、プロポーズをしてフラれた男、姥捨てられた老婆…。そんな「これだ!」と思った瞬間に失敗してきた人々によるどうしようもない物語が展開される。

 前回公演『俺ずっと光ってるボーイ、健之助』では連日満席で千秋楽には立ち見も出た。今回も早々にチケットの売り切れが予想されるが当日券ももちろん出るので、あきらめずにトライしたい作品。

人生について考えてみる もたい村「タイトルロール・ワズ」

2019.06.17 Vol.719

 舞台、映画、ドラマにCM、ナレーションと幅広く活躍中の女優・もたい陽子。最近では貴重なバイプレーヤとしてその存在感を高めている。

 そんなもたいが40歳を前に「自分で芝居を企画してみよう」と思い立ち、女優の菊池美里の協力を得て立ち上げたのがこの「もたい村」。

 旗揚げ公演にはくによし組の國吉咲貴を作・演出に迎え、もたいが信頼する俳優たちを集めた。

 物語の舞台はおとぎ話に出演する俳優たちが所属する、おとぎ話プロダクション。そこにいる元主役は、継母役も通行人役も嫌がり、女優人生の崖っぷちに立っていた。そんな彼女の目標はただ一つ「主役がやりたい」ということ。「誰もが人生の主役!」なんて綺麗ごとが通じない大人たちのほろ苦おとぎ話。

 おとぎ話とは言いつつも、「これってもたい自身のこと?」と思わせられるような内容にドキッとしたり、40歳を迎えるもたいの覚悟がちらちらと見えたり?

 芸達者の共演者はもとより、日替わりゲストも多種多彩。どうやら通常よくある日替わりゲストの枠を越えた台詞量も要求されているようで、ゲストのファンにも見ごたえ十分の作品に仕上がっているよう。

 また21日の15時からは菊池美里による一人芝居『ベットタイム・ライフ』(作・演出 國吉咲貴)が上演される。

城田優が主演するブロードウェイミュージカル『ピピン』

2019.06.04 Vol.718

 城田優が主演するブロードウェイミュージカル『ピピン』日本語版が、いよいよ開幕する。

 悩める若き王子ピピンが、美しくカリスマ的な“リーディングプレーヤー”率いるアクロバットサーカス一座に誘い込まれ、「特別な何か」を探し求める旅に出る。そのなかでさまざまな人たちに出会い、物語が展開する。

 ブロードウェイ屈指の名作ミュージカル。1972年にボブ・フォッシーによる演出と振付で初演され、1977年までロングラン上演したミュージカル。2013年にはダイアン・パウルスによって新演出版が発表され、トニー賞を4部門で受賞している。

 日本語版の演出は、そのダイアン・パウルスを筆頭とした『ピピン』のクリエイティヴ・チームが担当。新演出版は、ボブ・フォッシーのスタイルを踏襲した刺激的なダンスと、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のアーティストが手掛けたサーカスアクロバットを大胆に取り入れ、これまでにない新しいミュージカルエンターテインメントになっていたが、日本版はブロードウェイの演出を基盤として、日本人向けながらブロードウェイのテイストを残したものになるという。

太宰治作品をモチーフにした演劇公演第15回 日本のラジオ『カケコミウッタエ』

2019.05.24 Vol.718

 三鷹市芸術文化センターの「MITAKA “Next” Selection」に並ぶ名物企画である「太宰治作品をモチーフにした演劇公演」。今回は「日本のラジオ」が太宰の『駈込み訴え』をモチーフとした作品を上演する。

「日本のラジオ」は作・演出の屋代秀樹の描く猟奇事件やオカルトをモチーフとした会話劇に定評があり、その鋭いセリフとオリジナリティー、そして緊張感のある演出で今、注目を集める劇団だ。

 原作は昭和15年に発表された、全編にわたり一人称独白体で書かれた短編小説。ユダを主人公とした視点となっており、イエス・キリストへの愛憎が渦巻き、激しく揺れるユダの心情をよどみない筆致で描いた傑作。

 今回は舞台を現代に置き換え、群像劇に仕立て上げる。物語では代表の死をきっかけに結束を深めるある団体の中で、その状況に納得のいかない主人公の鬱々とした心情や周囲の人々との人間模様が描かれる。物語を通して「宗教」や「組織」にまつわる問題も浮かび上がってくるという。

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