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WRESTLE-1 武藤がシングルで3年ぶりの敗戦 KAIが第3代王者に

2015.03.09 Vol.638

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 TRANS MAGIC」が8日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1チャンピオンシップ」で挑戦者のKAIが王者・武藤敬司を破り、第3代王者に就いた。
 2015年に入ってから船木誠勝、河野真幸、田中将斗を立て続けにシングルで破り、ここまでたどりついたKAI。やはり武藤への声援が大きいものの、世代交代を期待するファンからは「KAI勝ってくれ~」という声援も飛ぶ。
 試合は序盤グラウンドの展開が続く。KAIが攻めているように見えてもいつの間にか武藤が好ポジションをキープ。武藤が試合を支配する。この状態を打開すべく、KAIは場外に落ちた武藤にトペを敢行するも、武藤はセコンドを身代わりにして交わすと、KAIは左腕を場外フェンスに痛打。以降、左腕への低空ドロップキック、チキンウィングアームロック、キーロックと手を変え品を変え、武藤の左腕殺しが続く。KAIがなんとかスタンドの展開に戻しても、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザードというおなじみの武藤殺法にはまるだけ。寝ても立っても武藤が試合をリードする。
 しかし時間が経つにつれ、スタミナが切れてきた武藤の動きが鈍ると、KAIはシャイニングウィザードを防御しジャンピングハイキック、トラースキックで反撃を開始。一進一退の攻防に、試合前は武藤コールが多かった会場にも徐々にKAIコールが響き始め、15分過ぎにサンダーファイヤーパワーボム、トップロープからのスプラッシュプランチャを放つと会場は大KAIコールに包まれた。
 武藤もカウンターのフランケンシュタイナー、前後からシャイニングウィザードを連発。そして切り札のムーンサルトプレスも繰り出す。しかし着地の際にヒザを痛打し、すぐにフォールにいけなかったのが響き、3カウントを奪えない。切り札で試合を決めきれずダウンしたままの武藤にKAIはトップロープからのスプラッシュプランチャを3連発。ついに3カウントを奪った。
 試合後、若手の肩を借りながらリングを去る武藤にKAIが「武藤さん、ありがとうございました」と声をかけると、軽く手を挙げ応える武藤。そこにこの日、中之上靖文を秒殺した鈴木秀樹がやってきて対戦を迫り一触即発状態となったが、KAIは「オレは誰からも逃げないし、いつ何時、誰の挑戦も受ける」と宣言。対戦を受諾した。
 KAIはその足でファンとともに会場の1階まで下りて、喜びを分かち合う。そして会見では「このベルトを武藤さんから受け継いだということは責任重大。これから俺たちがWRESTLE−1をスタートさせる。誰とでもどんなスタイルでも、WRESTLE−1を盛り上げるためになんでもやる」と話した。
 一方、シングルマッチでは2012年3月20日の両国国技館での秋山準戦以来、3年ぶりの敗北を喫した武藤は「持久力がなかったというか、ちょっとスタミナが切れた」と試合を振り返り「俺に勝った後のチャンピオンはしんどい。KAIはエースになるべくチケットをゲットしただけ。プロレスの神様はきっと途中下車もさせるだろうし、今からがしんどい」と独特の表現で王者の厳しさを説きつつも「託せるようになってほしい」とエールを送った。自らの今後については「変わらない。でも武藤敬司がおしとやかになると“裏の顔”が出てくる」とグレート・ムタの出現を予言した。

WRESTLE-1 チーム246がタッグ王座V5 KAIはZERO1田中に初勝利

2015.02.16 Vol.636

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2015 WEST SIDE STORY」が13日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」で王者組のチーム246、カズ・ハヤシ、近藤修司組に田中 稔、吉岡世起組が挑戦。20分24秒、パワープラントからの片エビ固めでカズが田中を破り、5度目の防衛に成功した。
 今回のタイトルマッチは勝敗はもちろん、田中の“覚醒”がひとつのテーマとなっていた。吉岡とのタッグ「Too Sharp」を本格始動して以降、田中は吉岡の“後見役”的な立場となっていた。確かにWRESTLE-1の未来を考えるとそれはそれで必要なことなのだが、王者組からするとそれは物足りない姿に映り、シリーズを通じて田中を挑発してきた。
 試合はタイトルマッチにふさわしいハイレベルの攻防が繰り広げられた。田中も先発を買って出て、カズと細かいレスリングの攻防を展開、終盤には得意の関節技でギブアップ寸前まで追い込んだが、最後はカズのパワープラントの前に沈んだ。
 試合後のリングでカズが「俺たちととんでもない差がついちゃったぞ。これからWRESTLE-1にクルーザーという世界を作りたい。あなたはその輪の中に入れるのか?」と挑発するも田中はマイクを放棄しリングを降りた。カズは会見で「ジュニアじゃない。ほかのベルトより、上でも下でもないクルーザーディヴィジョンを作らないといけない時期」とクルーザー級の新ベルトの設立を訴えた。そして「田中稔がそこに入ってくるかどうかは知らない。でも俺は新日本を辞めて、何もかも捨てて、人生をかけて全日本にやってきた、あのときの田中稔を知っているから」と改めて田中に言及した。
 一方「もう一回カズ・ハヤシとやらせてほしい。どこでもいい。シングルで」と雪辱を誓った田中だったが、14日には22日の大阪府立体育館第二競技場大会でのカズ・ハヤシvs田中稔戦が発表された。

か、かわいい……。思わぬ母性の芽生えとWRESTLE-1観戦記〈不定期プロレス女子企画〉

2015.02.03 Vol.635

 最近の後楽園ホールは「プロレス女子」が客席の半数を占め、黄色い声援が飛んでいるらしい…という噂に気後れしながら足を踏み入れた、金曜の夜。さすがに50%には及ばないものの、なるほど確かに可愛らしい雰囲気の女子たちが。はてさて皆さんのお目当てはいったい…??
 いっぽう、当初「推しメン探し」に鼻息を荒げていた当方はといえば、メインイベント含めての全8試合は女性ホルモンよりも眠れる母性が呼び覚まされるものでした。

 では、なかでも乳腺刺激ポイントが高かったカードはというと…

 まずは2014年11月の対抗戦でZERO1・大谷晋二郎へと必死に立ち向かう姿が支持されて注目度が急上昇中の稲葉大樹の一戦。立ちはだかるのは弾丸ヤンキース・田中将斗!相変わらずイイ感じの男臭が立ち込める田中選手の身体は今日も完璧です、照り照りです、美味しそうです。稲葉へ「エルボーはこうすんじゃ!」と繰り出す姿や挑発する言葉と仕草の数々には、任侠とも父性ともとれる男の生き様を見せられているような感覚が。対する大樹クンのひたむきさに男女ともに胸アツなのは間違いないが、この「もうやめてあげて」な感じは、これから先、いかにひっくり返るのか。拳を浴びた分の成長を見届けたいものです。

 続いて、タッグマッチ、【Too Sharp】田中稔、吉岡世起 vs 中之上靖文、児玉裕輔。お、チーム中玉、かわいい。負けは負けだが、タイトルをめざして一生懸命な姿はやはり素人目にキュンとくるものがあります。若手がW-1を盛り上げていかねば!という牽引力も感じられ、俄然応援モードに!とくに児玉クン、母性本能をくすぐる風貌ですね。Too Sharpの“いかにも”なイケメン風味とのコントラストも良かったかも。試合内容とも相まって、「こんな子、産みたいもんだな」と妄想する次第。

 船木誠勝、黒潮“イケメン”二郎 vs 鈴木秀樹、小幡優作(ZERO1)は、カードへの注目度はさておきイケメン氏が気になるだけに船木vs鈴木のバチバチとした構図のなかで見ることになったのがちと残念。いずれにしてもほっとけない。そもそも、いったい彼がどうこじれて(失敬)イケメン自称し始めたコなのかがイマイチよくわからないままなのですが、TAJIRIの影響を受けて開発したらしいそのキャラの更なる躍進へ興味は増すばかり。

WRESTLE-1 チーム246がタッグ王座防衛 武藤はギブアップ負け

2015.01.13 Vol.634

 プロレス団体「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 SUNRISE TOUR 2015 ~New Year Love~」が11日、東京・後楽園ホールで行われた。
 2013年に旗揚げし、昨年2014年はアメリカのプロレス団体TNAとの交流、TAJIRIらWNCからの選手の加入、シングル、タッグ王座の新設と、団体として大きな成長を遂げた一年だった。
 そのシングル王座は11月に行われた自身の30周年記念大会で武藤敬司が初代王者の河野真幸を破り戴冠。昨年12月22日の最終戦で真田聖也を破り初防衛を果たした。タッグ王座は11月に行われたトーナメントを制したカズ・ハヤシと近藤修司の「チーム246」が初代王座に就き、年内にAKIRA、征矢学組、河野真幸、TAJIRI組相手に2度の防衛を果たした。
 ともに団体を引っ張る人気と実力を兼ね備えた王者がベルトを守り、WRESTLE-1はハッピーエンドで2014年を締めくくった…ように見えたが、収まらないのが若い選手たち。
 ハヤシ、近藤組にはWRESTLE-1とWNCからの若手選手のグループ「Novus」のリーダー同士である中之上靖文と児玉裕輔が手を組み、挑戦を表明。武藤には征矢学が挑戦表明した。
 そして迎えた2015年の初戦。メーンではカズ・ハヤシ、近藤修司組vs中之上靖文、児玉裕輔組の「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」が組まれた。
 昨年の対戦アピール時には会場のファンから「まだ早い」として大きなブーイングを浴びた中之上と児玉は悲壮感さえ漂わせリングへ。しかし開始早々の児玉がハヤシへ見せたドロップキック、コルバタ、トペの連続攻撃でファンの気持ちをがっちりつかむと、中之上も呼応し生き生きとした動きを見せる。途中、王者組の反撃を食らうも、いつものようにずるずると劣勢に回ることはない。圧巻は試合後半、王者組の得意とする巧みなロープワークを駆使したムーブを許しながらも、さらにその上をいく動きで翻弄。あわやフィニッシュという場面まで追い込んだ。最後こそ、中之上が近藤のキングコングラリアットの前に沈んだものの、ブーイングを大歓声に変えた。
 試合後、児玉はリング上で「年末に生意気なこと言ったんですけど、本当は無茶苦茶怖くて…。でも力いっぱい向かいました。強くなって必ず2人を越えたいと思います」とアピール。中之上は会見で「年末に挑戦表明してあれだけのブーイングを受けて、あれからすごいプレッシャーだった。もう耐えられないくらい精神的にもきつかった。でも浜口さんから元気をもらって。でもやっぱり試合前になってもすごい不安で。だけどリングに上がったら児玉くんが“ここまできたら、やってやりましょう”って言ってくれて、すごく楽になった。今日負けてしまったのは本当に申し訳ないし情けない。でも俺たちはここから絶対に上に上がっていく。今日の負けは無駄にしない。2015年はWRESTLE-1の中心になっていく。年末は逆に俺らがチャンピオンで2015年を終わらせます」とコメント。
 結果こそ出せなかったが、大きな自信とファンの声援を得た2人。試合後、デスペラードのKAZMA SAKAMOTOと土肥孝司が乱入し、時期挑戦者に名乗りを上げたタッグ戦線で今後この2人がどれだけの戦いを見せてくれるのか注目だ。

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