やついいちろう 今年で5回目「YATSUI FESTIVAL! 2016」が6月18、19日に開催

 お笑いコンビ、エレキコミックのやついいちろうが主催する「YATSUI FESTIVAL! 2016」が今年も6月18、19の2日間にわたり、渋谷エリア10会場で開催される。2012年に第1回が行われ、今年で5回目。すっかりこの時期の渋谷の恒例イベントとなった。今年もやついにフェスの見どころを聞く。

出演者など「YATSUI FESTIVAL! 2016」の詳細は http://yatsui-fes.com/ でチェック!! 撮影・蔦野裕

 昨年に続いての2日間開催。昨年は初の2日間で260組の出演者にお客さんが約1万人。今年はその上を行く規模感?
「キャパは同じくらいで考えています。もしかしたらもうひとつくらい会場が広がるかもしれなくて、今調整中です。そうしたら去年よりはちょっと多くなりますね」

 年々観客が増え、2日間にした去年だってお客さんはパンパンだった。

「快適さがなくなると“また行きたい”って思わなくなっちゃうじゃないですか。なので会場を広げてもキャパはそのままにしておいて、ゆったり快適に見てもらえるようにしたいと思ってます。例えばイーストに入れなくてもイーストの模様が見られるような場所を借りて、という意味で会場は広がるけどキャパは一緒という感じです」

 自らもフェスが好きだから、客目線の考え方ができる。

「お客さんがぎゅうぎゅうだと、やるほうはうれしいかもしれないけど、見るほうは嫌ですからね…って当たり前じゃないですか(笑)。バンドの皆さんは入場規制になるとうれしいって言う方が多いんですが、見る側からすれば入場規制もなく不快な感じもないところで見るのが最高だなと思ってます。運営側としてはたくさんお客さんを入れたいと思うんだけど、そこのせめぎあいですね。貧乏フェスですから(笑)」

 確かにこれだけのメンバーがそろって見たいものが選びたい放題と考えるとかなりお得。

「見る人を自分で選んで、自分の好きなフェスにできると思います」

 昨年は、やつい自身もオープニング、エレ片、エレキコミックと片桐仁による女装ユニットである危険日チャレンジガールズ!(キケチャレ)、DJやついいちろう、そして小林幸子とのデュエットなどでステージに上がった。今年は?

「今年はラジオから生まれた1回こっきりで解散するはずのユニットだったキケチャレのまさかのメジャーデビューが決まりました。ビクターさんから6月8日にデビューします。それに伴ってバリバリのアイドルのNegiccoとフィーチャリングでヒャダインさんが作詞作曲の新曲を作りました。それの初ライブがやついフェスになります」

 いま第4弾まで出演者が発表された。周囲の反応が良かった人って?

「南野陽子さんとか千秋さんとかはみんながびっくりしていました。お二人とも初出演ですし、フェスに出たこともないと思うんです。初フェスがやついフェスというところに意外性もあるだろうし。もともとお二人の曲は好きだったので、出てくれることになってうれしかったです。僕はスケバン刑事世代なので、南野さんには以前から出てほしいなって思っていたんですが、今年はたまたまタイミングが合ったようで、お願いしたらOKしていただけました。ライブをするモードだったんでしょうね。千秋さんは去年、“フェスに出たい”ってツイッターでつぶやいていたので。僕も仕事でご一緒させていただいたのは何回かしかないんですが、ツイッターなどで交流があったので、“出ませんか?”って声かけさせていただいたら“出たい”と言ってくださった。去年はスケジュールが合わなかったんですが、今年はトントン拍子で話が決まりました。あとはJAGUARさんが話題になっていますね。面白いですよね、JAGUARさん」

 ある一定の世代にとっては「おおJAGUAR、元気だったか」という存在。

「最近深夜番組なんかに出ていて、また若い世代にもJAGUARさんが人気になってきたりしていますよね」

 ひと回りして面白い。伝統芸。あとはDJ岩井志麻子とか?

「(笑)やついフェスはそういうトリックスターみたいな人は必ず入っていますからね。ほかのフェスではほぼ見られないような人たちがさりげなく入っている。そういう人たちだけのイベントというのもあったりするんですが、そういう人たち“だけ”はなかなか見に行けないけど、“ちょっと見たい”とか“いたら絶対見たい”といった人はすごくたくさん集まっているので、大変お得な気がしますけどね」

 今回、海外から初めての参加となるバンドがある。

「BE THE WOLFですね(笑)。これ、僕もよく分からないんです。突然売り込みがありました。まさかイタリアのバンドが出たいって言ってくるとは思わなかったので、マジかよ?と思って、ちょっと聴いてみたらかっこいいんですよ。じゃあ出てもらおうかということになりました」

 今回で5回目。出たいと言ってくれるアーティストも多いのでは?

「ありがたいことに、そう言う人も結構多くなってきたんです。昔は出たいと言ってくれた人に“あ、いいよ”って即決みたいな感じだったんですけど、今はそうもいかなくなってきているんです」

 260組も出るのに、そうもいかなくなってきたって、すごいこと。

「260組だったら誰でも出られそうですもんね(笑)。言って来てくれた人全部出さないと260にならなさそうですもんね」

 広き門に見えて実は狭き門。

「日本ってアーティストが多いんですね。アーティスト大国なんですよ(笑)」

 フェスに先駆け、やついのニューアルバムが6月8日にリリースされる。

「初めてのオリジナルアルバムです。いままで7枚ミックスアルバムを出してきたんですが、必ず1曲はオリジナルを作っていて、7曲たまったので今年はそれをまとめようという話になりました。それでアルバムタイトルが『YATSUI MATOME』。キケチャレのデビュー曲も入っています」

 豪華な顔ぶれが並んでいる。

「ホントにめちゃめちゃ豪華なんです。今回のアルバムのためだけに作ったら全然できなかったと思います。ちょっとずつちょっとずつ予算を使ったからできた(笑)。レキシ、ライムスターの宇多丸さん、ノーナの郷太くん、サニーデイ・サービスの曽我部さん、tofubeats、いとうせいこうさん、Negicco、Charisma.com、RAM RIDER、ヒャダイン、峯田くん。とんでもないメンツです。今回DVDも作りました。今までミュージックビデオって作っていたけど全編を見たことある人ってあまりいないと思うんです。それも見ていただきたいですね」

 そろそろチケットも売り切れそう?

「いつもはタイムテーブル発表と第5弾発表が一緒くらいだったので、発表するとすぐに売り切れてしまうことが多かったんですが、今年は第5弾発表がちょっと早いので、まだ大丈夫だとは思います。でもタイムテーブルを発表すると多分売り切れてしまうと思うので、早めにゲットしてください!」(THL・本吉英人)