ぜひ女子中高生に来てほしい!! 劇団「NICE STALKER」イトウシンタロウ

 劇団「NICE STALKER」は劇作家・演出家のイトウシンタロウが主宰を務める劇団。取りあえず必ず聞かれるであろう劇団名の由来から。

「もともと役者をやっていたんですが、気持ち悪い人の役ばかりで女の子と恋人になるような役のオファーなんて1回も来なかった。じゃあ自分でやろうと思って立ち上げたのがこの劇団。僕が好きな女優さんを3人くらい集めて、みんな僕のことを好きで告白するんだけど、全部ふっちゃうという作品を作りました。それが最初の作品。女優さんたちの当時の彼氏を初日に招待してその芝居を見せる、ということをやりたくて作った団体なんですが、2014年に劇団化しました。好きな女優さんに“つきあってください”というのはハードルが高いですけど、“芝居に出てください”というのだったら結構OKはもらえるじゃないですか。だからオファーするのは僕がつきあいたいという女優さんだけ。 “害のないストーカー”という意味なんです」

 ここまで言うだけあって、イトウの女優を選ぶ目は確かなものがある。

「上手い下手ではない。女優である前に女子として変わっていて面白いというのが大事。世の中のど真ん中の美人ではないかもしれないけど、ちょっと癖がある、お客さんひとりひとりが“俺だけはこの子の魅力を分かるぜ”と言いたくなるような女優さんに魅力を感じます」

 実はイトウは早稲田の演劇研究会出身でもあり、2015年に上演した『ロリコンのすべて』という作品では小劇場界の登竜門的な存在である「佐藤佐吉賞」で多くの賞を受賞するなど、その作品は高く評価されている。昨年は観客の投票で物語が分岐していくという公演をそのシステム作りから手掛けるなど実験的な作品にも積極的に取り組んでいる。ただついついそのタイトルの過激さばかりが取り上げられがち。

「『ロリコンのすべて』の時は出演していた俳優さんが知り合いにチラシを配れなかったり、お店に張れなかったりということがあったんですが、劇場に置いておくとすぐになくなったんです。ホントはみんな好きなんですよね(笑)」

 今回、『1999の恋人』で駅前劇場に初進出。どんな作品?

「昔、1999年に世界の終わりがやってくるという『ノストラダムスの大予言』というものがあって、1999年ってみんながふんわりと世界が終わるんじゃないかって思っていたと思うんです。2000年になったらすっかりなかったことになっていましたが、面白い1年だった。その面白かった空気を現在に持ってこようと思っています。恋人が何組か出てくるんですが、来月、世界が滅ぶとなると今付き合っている人と付き合い続けるかどうかって微妙じゃないですか。“本当にこの人でいいのか? もっと別の人に行くべきじゃないのか?”って。価値観は絶対変わると思うんですが、そんななかで生まれる葛藤を描いてみようかと思っています。今回は18歳以下の高校生は100円です。もちろん男子も。でも僕としては女子中高生に来てほしい(笑)。いや、害はないですから(笑)」

NICE STALKER『1999の恋人』

【日時】5月4日(木)?8日(月)(開演は木19時30分、金土14時/19時、日14時、月19時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】駅前劇場(下北沢)【料金】一般 予約3600円、当日3800円、前半割(4?5日)予約・当日とも3200円/学割2500円(要学生証掲示)、高校生以下100円(要学生証、または年齢を証明できる証明書類)※学割と高校生以下は劇団のみ取扱い【問い合わせ】ナイスストーカー( http://nice-stalker.com/mailhttp://nice-stalker.com/mail  [HP] http://nice-stalker.com/http://nice-stalker.com/ )【作・演出】イトウシンタロウ【出演】帯金ゆかり、フジタマコト、藤本紗也香、山本光、池田萌子/イグロヒデアキ、神宮寺雄介、南米仁、佛淵和哉、大森翔吾