小池百合子「全会場が完成。ハードの準備からソフトの準備へ」【TOKYO 2020 COUNTDOWN】

 東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで、もう5カ月を切った。これから代表も続々と決まり、いやがうえにも盛り上がることになるが、今、この人はどんな思いでいるのだろうか? アスリート、スタッフ、大会運営に関わる方々にお話を聞く、このシリーズの第2 回は小池百合子東京都知事。(聞き手・一木広治)
小池百合子東京都知事(撮影・蔦野裕)

3月26日から聖火リレースタート。
初めて島しょ部にも聖火が!!



「2月2日に有明の東京アクアティクスセンターが完成しまして、これで全ての大会会場が整いました。3月26日には福島のJビレッジから聖火リレーがスタートして全国を回っていきます。これまでのハードの準備からソフトの準備へと移っていくことになります。東京では聖火リレーは7月10日から24日までの15日間、都内各地を回るのですが、今回は初めて島しょ部にも聖火が参ります。特に小笠原は1964年の東京オリンピックの時は日本ではありませんでした。ですので、小笠原の皆さんにとっては初めての自国でのオリンピック開催。そして聖火リレーが来ると喜んでいただいているようです。いずれにしましても大会成功に向けての準備を着々と確実に進めていきたいと思っています」

 そしてオリンピックの後には8月25日から東京パラリンピックが始まります。

「以前から申し上げておりますが、私はパラリンピックの成功こそが東京大会の成功であると思っております。その成功の一つの目安はパラリンピックの会場が満員になること。22競技が行われるのですが、まだ皆さんによく知られていない競技もいくつかあります。会場を満員にするためには、皆さんに競技のことを知ってもらい、見てもらい、自分でやってもらうのが一番です。そこで、2016年に“TEAM BEYOND”というチームを組んだところ、その会員数が今は130万人を超えているんです。そこにパラスポーツの情報をタイムリーにお知らせし、実際に足を運んでもらったりと、イベントを重ねてきました。そういったことからも、パラリンピックを契機に東京のバリアフリーがさらに進めばと思っております。道路などハード面のバリアフリーもそうですし、心の面もです。そして大会が始まってアスリートの方々の努力や汗を見ることは、子供たちにとってはとても心に残るものになり、それがレガシーになるのではないでしょうか」

 最近、五輪の盛り上がりを実感するようなことはありましたか?

「会場が完成したこともありますが、1月17日にお台場海浜公園の海に五輪マークをかたどった巨大なモニュメントを設置の際、花火が打ち上がったのは印象的でした。東京の風景になじんでいて“ああ、いよいよだな”という思いを皆さんに抱いてもらえるのではないでしょうか。モニュメントは、高尾山の山頂にもう一つ作るんです。ちょうど山と山の間に五輪マークが浮かんで、インスタスポットとしても人気が出るのではないでしょうか」
 東京都民にはどのように楽しんでもらいたいと思っていますか?

「シティキャストという駅やそれぞれの地域で道案内などをしていただく方々がおられます。都民の皆さんにはユニフォームを着なくても、おもてなしの担当として、世界中の方々を迎えていただければと期待しております。マラソン会場は残念ながら札幌に行きましたが、他にもロードレースはたくさんあります。切符なしで楽しめるので沿道で応援していただきたいですね。また、東京都の子供たちを100万人、さらに復興支援の一つとして被災地の子供たちも招待します。ちびっ子都民にとっては一生の思い出になるでしょう」

 チケットといえば多くの申し込みが殺到し、なかなか当てられなかった人もたくさんいます。

「チケットについてはオリンピック、パラリンピックそれぞれ2回、チケットの抽選がありました。パラリンピックのチケットも史上最多の300万枚を超える申し込みがありました。当たった人、外れた人いろいろでしょうけれど、外れた方にもまだチャンスはあります。オリンピックの先行窓口販売は3月12日まで、パラリンピックのチケットは3月13日から4月5日まで。今回はハガキでの申し込みになります。ネットを使わない人たちにもちゃんとチャンスがありますので、ぜひ申し込んでいただければと思います」
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