昆虫食事業が世界の食糧不足と日本の未来を救う!全国から研究・教育機関が集結しプロジェクト始動
由良教授は「2025年までに高品質昆虫の安定生産体制を整え、2030年までの量産化を目指す。それには、社会に昆虫食が受け入れられなければならない。まずは、養殖魚のエサの魚粉が足りなくなっているが、それを昆虫に置き換えていくなど、細分化した技術や試みを経て、最終的に昆虫食を定着させていくことが必要」と語った。
代表研究機関や共同研究機関の代表らも、同コンソーシアムがもたらす貢献や、世界の最先端から遅れをとり始めているという日本の基礎研究に対する新たな可能性に、大きな期待を寄せた。
プロジェクトには、コオロギやミズアブの研究チームをはじめ、昆虫食を社会に実装させる取り組みに関わる、さまざまな分野のスペシャリストが全国から集結。また、研究協力や社会実装における海外機関との連携も深めていく。
後半のセッションでは、本コンソーシアムに参画する各機関のプロジェクトが紹介された。無印良品で販売され話題を呼んだ「コオロギせんべい」を開発した徳島大学の渡邉崇人助教は、食用コオロギの栄養特性を把握する実証実験や高機能食品としての宇宙食の開発に向けた取り組みなどを紹介。昆虫資源を生かしたビジネスを展開する若手起業家らからも、ビジネスとしての可能性が大いに語られた。農林水産省顧問の末松広行氏も「こうした新しい昆虫の利用は次の日本の時代を大きく支えるのではないか」と期待を寄せ、米シリコンバレーでベンチャー投資を行うScrum Ventures創業者の宮田拓弥氏も「フードテック×宇宙で、時期を得た研究テーマかと思う」と、投資家目線で期待を込めた。