大河ドラマ『青天を衝け』は明治編へ 吉沢亮「本領発揮の渋沢栄一を見て!」

 日本の近代資本主義を語るうえで、「西の五代、東の渋沢」と呼ばれた、五代友厚とも、ようやくしっかりと出会う。五代はディーン・フジオカが演じており、これまでの放送でも視聴者には『青天を衝け』の五代をアピール済みだ。

「ディーンさんは『あさが来た』で同じ五代の役をやっていらっしゃいます。台本も大森美香さんで同じですから、(五代が)しみついているというか、ディーンさんの人柄と五代さんの人柄が共存している気がします。一緒に演じていて気持ちがいいですし、とても魅力的です」

 これまでの絆も大切に描かれる。栄一は駿府にいる慶喜のもとに何度も通い、交流が続く。

「将軍になる前からずっと尊敬している人ですから、慶喜が任から外れて一般人になっても尊敬していることには変わりはないと思います。『青天を衝け』は栄一と慶喜の2人の線で描いてきた作品でもありますから、2人の関係性は、ものすごく大きなテーマだと思います。……この作品って、栄一と喜作、慶喜と円四郎、円四郎と栄一など、いろんな男2人の関係性を描いていますが、その中でも栄一と慶喜の関係性は一番色濃く残っていくと思います」

 

 

 慶喜は草彅剛が演じている。あらためて共演の印象を聞かれると「この業界に入る前から、小学校の時から見ていた大スターです」と、吉沢。

「栄一の慶喜に対する尊敬と、僕吉沢亮が草彅さんに感じている尊敬は、形は違うかもしれないけど、どこかでリンクしているところがあるかもしれません。草彅さんはすごい人だと、共演する前からずっと思ってきましたから、その関係性が自然と出ればいいなと思ってやっています」

 明治編は12日にスタート。江戸時代とは別のベクトルで、本領を発揮する渋沢栄一のジェットコースターのような人生を吉沢は「生きる」。

「栄一って最後まで生き延びた人であるというのが大きいと思うんです。周りにいたスターのような人物たちからいろんなものをもらい受け継いで、最後まで生き延びたからこそ、多くのことを成し遂げられた。生命力はもちろんですが、残された人たちの哀愁というか、ある種の生き延びた人の寂しさも伝わればいいなと思います」

日本に資本主義という新しい思想を持ち込みながら、自らも変化しながら生きる渋沢栄一。「ヒーローだという人もいれば、ただ理想を語っている奴だという人もいる」と吉沢は言う。それゆえに「栄一の人物像は、より人間らしくより生々しくなっていくのかなと思います。その辺は演じていて楽しいです」。

 生涯青春の人として生きる栄一の姿に、今後も心を揺さぶられ続ける。

『青天を衝け』は、 毎週日曜、NHK総合で20時から、BSプレミアム・BS4Kで18時から放送中。再放送(土曜13時5分~)もある。

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)