【インタビュー】戸田真琴の思う「孤独」とは? そして「考える」ことの大事さとは。

 女優の戸田真琴が初の著作となる『あなたの孤独は美しい』を発表した。エッセイというジャンルにはなっているが、その中身は迷える若者、いや人生の半ばを過ぎた大人にとっても生きる上での指針になるような濃いものだった。
戸田真琴(撮影・蔦野裕)

初の著作『あなたの孤独は美しい』を発表


 書籍の帯にはなかなか刺激的な言葉が並ぶ。まず、この本はどういった本?
「この本で書いているような内容については、これまでもウェブのコラムなどで書いてきました。こういった内容を伝える時に“私はこういうことについてこう思いました”という答えだけしか書かなければ、答えをもらっただけになってしまって自分ではあまり考えないですよね。それだと結局身につかないと思うんです。なので“こういうことがあって、これに対してこう思って、こうしたからこうなりました”という考え方の順番を全部書こうとは普段から意識しているのですが、今回もそういう書き方で書いた本です。

 本を読む人は何かしらの答えが知りたくて読む人も多いと思うんです。そういう時に答えだけではなく、一緒に読みながら一緒に考えてもらう。小さい頃の私の話もたくさん書いているので、私の人生や体験したことを疑似体験してもらえればより伝わりやすいかなと思いながら書いていたように思います。

 こういう孤独本みたいなものが流行っているのは“弱いままでも、ありのままでもいいんだよ”と甘やかしてくれる本をみんな求めていて、そういう意味で流行っているんだろうなと思っているんですが、私は甘やかしたり、意味もなく“大丈夫だよ”というだけの本だったら実際のところあまり価値がないと思っているんです。それより一緒に考えて、別の人の人生などを見て、単純にいろいろな考え方の人がいるということを知って、視野を広げていくことに本当の価値とか意味があるんだろうなって思ったので、そういういろいろな人の中に私という例も加わるといいなと思って書きました」

 これはどれくらいで書き上げた?
「半年くらい。週に1回、出版社にこもって書くみたいなかたちでやりました」

 こういった内容にしようと思ったのはなぜ?
「孤独といったことに関する本にしましょうというお話は出版社の竹書房さんからいただきました。これまで、映画を毎月紹介しながら読者のお悩みに答えていくというコラムを連載させてもらったり、現在、テレビブロスで書かせていただいているコラムでもそうなんですが、私は基本的には孤独を否定するタイプではなくて、人は一人一人違うということに価値があると思っているんです。みんなで一斉に同じことをすればいい、という協調性を重要視しすぎるような考え方にあまり共感できない、ということはずっと言ってきているテーマでしたので“孤独”というテーマははまるな、とは思いました。ただ世の中で流行っている孤独本とはまた違う色のものにはなったとは思っています」

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